イギリスのLincolnshire州には、掃除機のダイソン社が建設した東京ドーム2ケ分の温室が広がっています。


このいちご園はロボットが働くハイテク農場です。
農場は、長さ24メートル、高さ5メートル、重さ約500kgの巨大な車輪です。この中で、イチゴの苗を支え、ゆっくりと回転させることによって最適な日光照射が行われます。紫外線照射ロボットが通路を巡回し、イチゴの葉に発生するカビを死滅させるのに十分な光を当てます。一方、散布ロボットは有益な虫を苗に放ち、アブラムシなどの害虫を駆除します。イチゴが収穫できるほど熟すと、16本のロボットアームがイチゴを一つ一つ丁寧に摘み取ります。


掃除機や扇風機の製造で有名なこの農園のオーナーであるダイソン氏によると、ロボットは1ヶ月だけで20万個のイチゴを収穫できるそうです。
ダイソン氏にとっては、掃除機や扇風機の製造と農業は同じだといいます「ものを育てるのは、ものを作るのと似ています」「どうすればもっと効率化できるでしょうか? 品質や味を向上させ、土地をより有効に活用できる技術を導入すれば、さらなる投資を行い、農業に変化をもたらすことができるでしょうか?」といいます
施設内には嫌気性消化槽が設置されており、穀物から発生するガスを利用してタービンを回転させます。このプロセスで発生する余熱は、温室の保温にも利用されています。消化槽から出る副産物は「消化液」と呼ばれ、最終的には有機肥料として畑に再利用されます。


温室の屋上から集められた雨水は、イチゴの水分補給に利用されます。温室は年間1,250トンのイチゴを生産できます。栽培システムでは、自然光を可能な限り利用し、人工光は最小限に抑えて補助的な光源として利用しています


「効率的でハイテクな農業は、私たちの未来への鍵を多く握っています。ダイソン・ファーミングは、この最前線に立つことを目指しています。」
この農園で生産されたイチゴは、すでにイギリス国内のスーパーで販売されています