2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧
死の淵より照明せば ことにかがやきて ひたくれなゐの 生ならずやも 斎藤 史
遥かなる 岩のはざまにひとりゐて 人目思はで もの思はばや 西行法師
よろけやみ 水からくりに 現あらず 横山 白虹
蟻の道 雲の峰より つゞきけん 小林一茶
炎天の 遠き帆や わが心の帆 山口誓子
あやにくに 煩う妹が夕ながめ 越人 あの雲は たがなみだつゝむぞ 芭蕉
雲の峰 裏は明るき 入日かな 内藤鳴雪
吹く風に 消息をだにつけばやと思へども よしなき野辺に落ちもこそすれ 梁塵秘抄
君や来む 我や行かむのいさよひに 槇の板戸も閉さず寝にけり よみ人知らず 古今集
郭公や 何処までゆかば 人に逢はむ 臼田亜波
一鳥声有り 人心有り 声心雲水倶に了了 空海
つくづくと 独りきく夜の雨の音は 降りをやむさへ 寂しかりけり 儀子内親王
天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ 柿本人麻呂
雨季来りなむ 斧一振りの再会 加藤郁乎
あはれなり わが身のはてや あさ緑 つひには野べの霞と思へば 小野小町