2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧
下毛野阿蘇の河原よ 石踏まず 空ゆと来ぬよ 汝が心告れ 下野国の歌
いかにせん いかにせんとぞ いはれける 隆達小歌
くれないの 花はみな散り よきともは みなはるかなり 三好達治
いただきの ふっと途切れし 冬木かな 松本たかし
しづごころしづかにたもて 人の上をいまはおもふな 三好達治
なぜなのと子どもたちはきく なぜだろうと もう思いもしない大人たちに向って 黒田三郎
朝になると 小さな四本の足が跳ねまわり 私たちの木の家は鳴り響き 太鼓となる 谷川俊太郎
一つの夢みたされて 眠る人の如く けふの入日 しづかなる色 片山広子
自分の知らないひとびとの かけがえのない日常の姿を そこにも ひとつの日常があることを 黒田三郎
ことばは美しくくりかえされては 消えてゆく 空白のなかに どんな苦痛の色がただよっているか 黒田三郎
ひうひうと 風は 空ゆく ぼたん 上島鬼貫
秋水を がばりと脱ぎし 鯉の肩 橋本鶏二
ゆふ日 とほく 金にひかれば 群童は眼をつむりて 斜面を ころがりにけり 斉藤茂吉
わが故に いたくな詫びそ後つひに 逢はじといひし こともあらくに よみ人しらず