この夏ロシアの学生が学校に戻ると、学生達に最新の歴史教科書が渡されました
歴史の教科書の内容は、プーチン大統領が世界におけるロシアの位置について自ら選んだ物語に書き換えられていて、新しい本には、ロシアの歴史の美化された説明、敵を対象とした嘲笑、ウクライナ侵略の正当化が含まれています
プーチン大統領のロシアでは、国家の手が及ばない分野はありません。
教科書では、ロシアが「特別軍事作戦」と呼ぶもの(「戦争」という言葉を使うと長期の懲役刑が科せられる可能性がある)は、米国のせいではじまり、「ウクライナはネオナチ国家である」「ロシアは英雄の国である」と宣言し、「ロシアはいかなる軍事行動も開始していないが、軍事行動を終わらせようとしている」という虚偽の主張をしたプーチン大統領の言葉を引用しています。
内容は、昨年まではロシアでも受け入れられていた「歴史的事実」が、「書き替え」られています。
内容には、「祖国のために命を捨てる勇気と勇敢さは、ロシア、ソ連の兵士に本来備わっているものである。」「ロシアは加害者である」「ヨーロッパは『ファシスト』というレッテルを貼られている」と記述されています
大統領補佐官で教科書の主要著者であるウラジーミル・メディンスキーは、新しい教科書は「時事問題に対する国家の立場」を示していると記者会見で述べました
1920年代から1953年に亡くなるまでソビエト連邦を率いていたロシアの独裁者スターリンの下でさえ歴史の書き替えは最小限に抑えられていましたが、プーチンの新教科書は対照的に、教科書は旧ソ連指導者ミハイル・ゴルバチョフの西側諸国との接近をさえも批判しています
アメリカのロシア問題シンクタンクは、クレムリンのメッセージに内在する矛盾を指摘しています。
「この戦争全体はおそらく、正教に基づいたスラブ国家としてのロシアを守ることを目的としている。しかし、死につつある人々の多くはロシア正統派ではありません。彼らにはそのような特徴がまったくありません」と彼女は指摘した。ロシアのために戦っている人々の多くは少数民族や貧しい背景の出身です。」「歴史は戦場になった」