アメリカのペンシルベニア大学の肝臓移植チームは、脳死状態の患者に遺伝子編集されたブタの肝臓を接続し、血液を循環させる手術を行いました
複数のバイオテック企業が異種移植を目指していますが、臓器の体外利用が先行して進む可能性がでてきました
この「体外肝臓」は、感染症や中毒、アルコールの過剰摂取(これが最も一般的な原因である)などによって深刻な急性肝不全を発症した患者の命を助けるために設計された。
手術では、被験者の血管に繋いだチューブが(ブタの肝臓を中央に取り付けた冷蔵庫大の大きさ)機械に接続され、その状態が72時間続きました
医療用に育成された豚(ブタの遺伝子を編集し、ヒトの免疫系に動物組織が検知されないようにしている。そうしなければ、ヒトの免疫系が臓器を攻撃してしまうからだ。)は、人間の臓器にほぼ近く、移植の実績は心臓が使われていましたが、その期間は短く、心臓には拒絶反応によって移植から2カ月以内に2人とも亡くなっています
今回は、移植よりも、豚の臓器そのもの(複雑な免疫学は絡んできません。臓器を長期間使用するわけではないので、拒絶反応の問題はなくなります)を人間の体外で行った方がよい結果がでるのではと考えて行われました
AIを活用した医療診断支援ソフトウェア会社イージェネシスeGenesis、遠隔医療サービス会社ユナイテッドUnited、遺伝子治療薬会社マカナ・セラピューティクスMacana Therapeuticsなどは豚の応用を進めています
バイオテック企業にとっては、できるだけ早くヒトを対象とした製品の試験にこぎ着けることが極めて重要だ。提携先の大手製薬会社が出てくるのは、この段階になってからだからだ。豚の臓器移植はこれまでまったく成功せず、投機的なテクノロジーという評価を受け続けてきました。