アメリカ・オハイオ州の心臓病研究チームは、新薬レポジシランの初の人体臨床試験を実施し、1回の注射で遺伝的根拠を持つ「悪玉」コレステロールであるリポタンパク質(a)がほぼ1年間検出不可能なレベルまで減少することを発見しました。
この研究は、現在治療法のない心血管疾患の危険因子を除去する可能性があります。
いわゆる「悪玉」コレステロールである低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールは、コレステロールの一種であるリポタンパク質(a)またはLp(a)といくつか共通する特徴があります
Lp(a) は動脈内にプラークを蓄積させ、心臓、脳、および体の他の部分への血流を減少させ、心血管疾患の危険因子となります。ただし、高い Lp(a) レベルは遺伝するため、運動、食事、薬の影響をほとんど受けません。現在、高 Lp(a) に対する治療法はありません。
今回、研究者らは、レポジシランと呼ばれる新しい治療薬の最初の人体治験を実施し、薬剤の1回の注射により、その生成メカニズムが妨げられ、ほぼ1年間にわたってLp(a)が検出不可能なレベルまで低下することを発見したのです
現在の第2相臨床試験では、Lp(a)値が高く、早期の心臓発作や脳卒中のリスクが高い人々を対象にこの薬の試験が行われています。
「さらなる試験で、この薬レポジシランが安全で、心臓発作や脳卒中を軽減できることが示されれば、これまで治療できなかった危険因子が排除されるので、患者にとっては朗報となるだでしょう」
「そうなれば、この薬は、Lp(a)値が高い人に対するワクチンと同様に、年に1回の注射となる可能性があります。」