スイスでは、電動スクーターの制限速度は20㎞です。
しかし、改造スクーターはヨーロッパ全域で深刻な問題となっています。


多くのユーザーが、メーカーが設定した速度制限を回避するためにソフトウェアやハードウェアをインストールしています。コントローラーを直接改造する人もいれば、Bluetooth経由で制限を回避するアプリをダウンロードする人もいます。結果はどれも同じです。時速20kmで走行するように設計されたスクーターは、原付やバイクと同等の速度に達し、それらの車両に必要な保護装置は一切装備されていません。
スイスでは、今年時速113キロ、時速126キロのスクーターが検挙されました。
スイス警察は悪徳スクーター対策として、現場で短時間(1分以内)で測定できるポータブル動力計を採用しました。
街中で見かけた不審なスクーターを、このリーフケースに収まるほど小型のポータブル動力計をつかい、スクーターの前輪をローラーに載せた状態でプラットフォームに置き、エンジンをかけ、アクセルを全開にします。ローラーは負荷がかかった状態で回転し、路面抵抗をシミュレートします。システムは最高速度を記録し、デジタルディスプレイに表示するのです。これまでのように、スクーターを工場や実験室にもちこまなくても測定できるようになりました


これを開発したウェンガー社Wenger(かつてはスイス・アーミーナイフの二大メーカーとして非常に有名でした。)のデバイスは、路上検問の改善にテクノロジーを活用するという、より広範なトレンドの一環をなしています。運転中の携帯電話の使用を検知するAI搭載カメラから、顔を分析して飲酒運転者を特定するシステム、速度制限の遵守を監視するセンサーまで、道路安全は迅速かつ正確な介入を可能にするツールへの依存度が高まっています。

