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ドイツ 女性が男性より長生きするという常識は正しいのでしょうか?

フランス・オンラインマガジンslate10/3

女性の平均寿命が男性よりも長いのは世界中のどの国でも当てはまります。最新のデータによると、女性の平均寿命は約74歳で、男性の68歳を上回っています。この事実は、長年にわたり研究者を困惑させてきました。


ドイツの進化人類学研究所は大規模な研究で、野生と飼育下の1,176種(哺乳類528種、鳥類648種)の寿命データを分析した結果、規則的なパターンを発見しました

調査対象となった哺乳類の72%では、メスの方が平均寿命が長く、メスの12~13%に相当します。しかし、鳥類では驚くべきことに、68%の種でオスの方が長生きで、その差は約5%です。

この変化は、性染色体が寿命に何らかの役割を果たしていることを強く示唆しています。

特に際立った要因が一つあります。それは配偶システムです。広く見られる一夫多妻制の哺乳類では、メスをめぐるオス同士の競争が寿命を縮めます。

もう一つの要因として、親としての関与が影響していると考えられます。ほとんどの哺乳類では、メスが子育ての大部分を担っています。この保護的な役割が、メスの寿命を延ばす進化を促した可能性があるのです。

また動物園では野生個体群に比べてこうした男女間の寿命差が縮小していると指摘します。飼育下での生活は、捕食、病気、争いといった外的圧力を軽減し、自然な差異を増幅させます。

これは、現代社会において男女間の寿命差が完全になくなる可能性はないものの、縮小傾向にある理由の一つかもしれないといいます。

研究者は「医学がどこまで進歩するかは誰にも分かりませんが、一般的には、こうした差異が完全に消えることは期待できません。」といいます