イタリア・トリノには、年間7万 人の来館者を誇る珍しい博物館があります。博物館の名称は「犯罪人類学博物館」です。
大学が管理するこの博物館は、コレクションを集めた人物の動機をはるかに超えて、人種差別、女性蔑視、捏造に興味ある人々に支持されています
チェーザレ ロンブローゾ・Cesare Lombrosoは法医学教授の職に就き、 とりわけ多くの言語にすぐに翻訳されたエッセイ『L'uomo delinquente 』(「犯罪者」)を出版しました。この本は 1896 年までに 4 回の改訂および増補版を経ました。チェーザレ ロンブローゾは、頭蓋骨と脳、顔の特徴、一般的な外観の測定から、「生まれながらの犯罪者」を特定することを可能にする鍵を見つけたいと考えていました。
チェーザレ ロンブローゾは、犯罪者はこうした退行的隔世遺伝が生じた、人類の下等な段階の甦り、人類の一変種「ホモ・デリンクエンス(犯罪人)」という説を唱え「生来性犯罪者」という考えをもちました
現在、この博物館には、684 個の頭蓋骨、183 個の脳、27 個の骸骨、ワックスと石膏で作られたデスマスク 88 枚、犯罪者の写真 1,000 枚以上、スファルツァリエ (カモッラ号のナイフ) のコレクション、拘留者によって彫刻された水差し、その他多数の彫刻が集められています。オブジェクトの一部はアウトサイダー アートです。驚くべきは、すべての入れ墨が忠実に再現された受刑者の全身肖像画である。チェーザレ・ロンブローゾにとって、特定の伝統文化に見られるこの慣習は、犯罪者が「野蛮人」に近いことの「証拠」でなのです
チェーザレ・ロンブローゾは社会主義者であり、ユダヤ人出身であり、その「人種」から自分を「高められている」と考えていたのですが
、歴史はその正反対のナチスなどのファシストや人種差別主義者に利用されて悪評が絶えなく、この不名誉な犯罪学者のコレクションは、戦後すぐに忘れられるよう元の家に移されました。チェーザエ ロンブローゾの死から 100 年が経過した 2009 年にようやく、博物館は完全に再設計された空間で元の場所に戻りました。
彼の研究はシャーロックホームズや吸血鬼ドラキュラなど文学にも影響をあたえました